インフォーマル会議

第3回インフォーマル会議議事録

第三回「高温・高密度QCDの物理」インフォーマル会議
日時: 2012年3月24日 (土)
会場: 関西学院大学 XB会場
参加人数:42人
司会:中條(筑波)、平野(上智)
文責:郡司(東大CNS)

実験の現状とランプラン報告

  • LHCとALICEの状況と今年のプラン(大山)
    • 最近の成果
      • Pb+Pb: dijet生成、J/psi測定、Dメソン、角度相関、EM dissociationなどの結果
      • p+p: J/psi生成、重クォーク、低質量ミューオン対などの結果
    • 2011年の状況
      • p+p(1年)とPb+Pb(1ヶ月、統計は2010年の10倍)
    • 2011年-2012年3月
      • 検出器のインストール。EMCAL, TRD。
      • p+pの準備中。加速器の再起動中。4TeVまでの加速に成功。検出器のコミッショニングも完了
    • 2012年の計画、その後
      • p+p(4-10月、145日): 8TeV。1BのMBデータ収集。低磁場中のラン (低質量電子対), 高粒子多重度トリガー
      • p+PbとPb+pの実行。24日間。CNM効果
    • 2013-2014 長期シャットダウン. TRD, D-CALの完成
    • 2015-2017 フルエネルギーラン
    • 2018: LS2 アップグレード
  • RHIC実験の現状と計画(坂口)
    • run11の状況
      • VTX検出器(重クォーク)とRPC検出器(前方、ミューオン)のinstall。
      • p+pは予定の33%を取得
      • Au+Auは、19.6 GeV(13ub-1), 200 GeV(788ub-1), 27GeV(7.4ub-1)のデータを取得
    • run12の状況
      • FVTX(前方)検出器のinstall
      • p+p 200GeVが3/12に終了。目標の70%を取得
      • p+p 500GeVが進行中(5 weeks)
      • Cu+Au, U+Uのランが予定されている。120ub-1, 12ub-1を予定。
    • PHENIXのアップグレードの状況
      • 2015よりsPHENIXの予定。策定中。
      • DOEから20Mの初期投資が得られるでろうという期待。
    • STARのupgrade
      • forward GEM trackerがinstallされた。spinの物理。
      • HFTが来年くらいにinstall。
    • 今年のラン
      • 運転予算はまだ不透明。500GeVのp+pと200GeVのAu+Au (for VTX + FVTX)

QMの日本招致にむけて (浜垣)

  • 東京近郊で行う。理研事務のサポート(?)を期待して。
    • Planとしては、千葉(幕張)と横浜(みなとみらい)。
    • IACのレスポンス@QM2011
      • 日独伊の立候補。独に決定(2014年春)
      • ドイツの後は、日本での開催(中国、インドからのサポート、米国からのサポート)が期待。
  • HPとの兼ね合い
    • QM2015が決定した後(QM2012のワシントンで決定)に、HP2014を決定する。
    • QM2014は2014年5月下旬か6月上旬。PBMからの情報。2015年の開催は秋が適当。
  • これからの取り組み
    • 2012年8月のQMで再度提案
      • 2015年秋に東京近郊で開催を目指す
      • 東アジア(中国、韓国、インド)の総意としてプロポーザルしてはどうか?LOCに数名入れる。
    • to do list
    • サイトの決定 (IACは横浜希望)
    • financialの策定
      • サポート体制

理論の現状(奈良)

  • 初期条件に関する進展
    • 核子のpositionの揺らぎを入れた計算しかなかったが、これに+して
      • MCrcBK:グルオン生成の揺らぎ(Glasma, NBD) --> epsilon_2は大きな違いはないが、epsilon_3,4,5は大きく異なってくる。epsilonは大きくなる。
      • DISPY:Color dipole modelをMCで解く。dipoleのcascade. BFKLのsmall-xのgluon生成をdipole描像で行っている。arXiv:1108.4862.
    • classical Yang-Mills+IPsat model (arXiv:1202.6646):color chargeの揺らぎが入っている。これで計算してもNBDが再現できる。glauberと同程度のv2, v3を予想する。
    • ADS (PRL B680, 225, 2009):原子核構造の立場からみて、核子ー核子の相関を含んだ、現実的なMC。どんな相関? epsilon_2,3は殆ど変わらない。
  • Glauberに上記の揺らぎを入れてはどうなるのか?
    • epsilon3は上がる。Glauberは合わない方向にいく。

heavy ion cafeの現状、heavy ion pubの現状

  • heavy ion cafe(藤井)
    • 活動報告:第20回を2012.1.21に開催した。
    • A. Dumitru, T. Gunji:26名の参加
    • 今後も継続していく.
    • 上記の実験からの報告を受け,豊富な実験結果を考える会合を QM前に持つのが良いだろう,という意見があった
  • heavy ion pub(浅川)
    • 活動報告:第13回を2012.12.16に開催した。
      • 本間、 北沢:
      • 合同のheavy ion cafe, heavy ion pub (QM直後)で出た議論がきっかけ。論文執筆に至る。
      • 議論を論文として残すような取り組みも必要。
    • 次回は5月10日(木曜日)@広島大学
      • 志垣、福嶋:chiral magnetic関係の話

高エネルギー重イオン衝突実験将来計画ワーキンググループについて(鳥井)

  • 日本の核物理の将来計画レポート作成WGを一年前に立ち上げて、レポートを書いて来た。現実的な将来計画策定に向けたWGを立ち上げたい。
    • 名称:高エネルギー重イオン衝突実験将来計画ワーキンググループ
    • 活動内容:このWGで議論した将来計画を外に発信する。
    • メンバー:自薦他薦により構成
    • 位置づけ:QCDMOF全体で議論していきたい。
  • QCDMOFの目的の一つに
    • 将来計画の策定、将来計画の発信、QCDMOFの趣旨とあっている
    • QCDMOFが引っ張って行く一つの母体。このWGはむしろ調整的な感じで、議論をQCDMOFで行う?
    • 骨子をまとめ、まとまり次第、QCDMOFに連絡

国際会議や研究会の計画などなど

  • 2013年の秋に、基研に滞在型の研究会。11月後半から12月の半ばまで。(大西、浅川)
  • KEKの磯さん(高強度場の物理)[4月からが最後の年度]の研究費研究。来年度1年の間に非定期的に、高強度場の物理の会合を開きたい。密な議論が可能なので、是非参加をお願いしたい。(板倉)
  • 6月25-27日: CPOD@BNL (chiral magnetic effectに懐疑的な参加も大歓迎)(福嶋)
  • 11月12日-16日: ECT* magnetic fieldを入れたlatticeの会議(福嶋)
  • 11月14日-17日: 釜山でATHIC